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なぜ、病みつきになる? 賀来賢人主演ドラマ『死にたい夜にかぎって』原作者・爪切男の魅力を徹底解剖!

爪切男は絶対にヤバイ人だと思ってた(高石)

爪さんだけでなく、『夫のちんぽが入らない』のこだまさんも発掘した高石氏。
爪さんだけでなく、『夫のちんぽが入らない』のこだまさんも発掘した高石氏。

――ブログから始まり、連載、小説、そしてドラマ化と成功の階段を着々と登っている爪さん。もともと、高石さんがその才能を見出したとお聞きしていますが、その経緯はどんな感じだったのでしょう。

高石:まんきつ(まんしゅうきつこ)さんという漫画家さんにSPA!で映画コラムを書いていただいてたんですが、「コラム連載を辞めたい」と言われた時、「次は誰がいいですかね?」と聞いたんです。そしたら、『夫のちんぽが入らない』のこだまさんと、『小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい』というブログが人気だった爪さんを推薦していただいて。その時は、爪さん、面白いけど、ブログを読む限り絶対にヤバイ人だと思って、こだまさんにお願いしたんですが、文学フリマという同人誌の即売会に行った時に、こだまさんと一緒に爪さんもたまたま出店していて、そこで初めてお会いしたんです。そしたら、危険人物どころか、めちゃくちゃ腰の低い方で(笑)。それがきっかけで、何か連載をやってみようということになって、SPA!のWeb版で『タクシー×ハンター』がスタートしました。でもなんでタクシーの話になったんでしたっけ?

爪:タクシーの取材にトラウマがある、という話をしたからじゃないですか? あるカルチャー誌がリニューアルした時にルポの依頼があって、EXILEの曲ばかり流して、車内を豹柄にしている有名なタクシー・ザイルタクシーがあるから、取材してきてほしいと頼まれたんですが、実際に会いに行ったら、タクシーも魅力的だったけど、俺は運転手さんのキャラの方が面白くて(笑)。だから、そっちを膨らませた原稿を提出したら、「タクシーのことを中心に書きましょう」って言われて(笑)。その時の自分の力では面白い原稿を書き切れなかった。それでトラウマだけが残りました。そんな話をしていたら、高石さんが、「じゃあ、タクシーの連載やろうよ」ってことになった。

高石:爪さんは、人との関わりとか、自分の過去を綴るのがうまいと思っていたので、タクシーの運転手さんとのやりとりと、過去の自分の話を組み合わせて書いたら面白いんじゃないかな? と思ったんですよね。連載がスタートし、概ね好調だったんですが、だんだん女性が登場する回が増えてきて、それとともにPVや評判がすごく良くなってきた。なるほど、爪さんが語る女性は、読者の心に響く要素が多いんだなと。女性の話、特にアスカという重要人物を中心に、『死にたい夜にかぎって』として一冊の本にまとめようという企画も、そういう流れがあったからなんですね。

――『クラスメイトの女子、全員好きでした』が好評の宮崎さんは、どんな出会いだったのでしょう?

宮崎:僕は途中から担当を引き継いだんですが、もともとは『日刊SPA!』の連載などを読んでいた後輩が、「爪さんと何かやってみたい」と企画案を出してきたのが始まりなんです。爪さんとは世代が近いし、田舎も爪さんが香川、僕が香川寄りの愛媛で近いこともあって、その世界観に僕も凄く共感していたので、ぜひ連載をお願いしよう! と。実際、うちの連載の一話目を読んだ時も、僕みたいな中年おじさんが、ふと小学校、中学校の卒業アルバムを見たくなりましたし(笑)。

爪:このエッセイに関しては、僕からテーマを提案させていただいたんですが、なぜか女性の読者が褒めてくれることが多くて嬉しいですね。

宮崎:『よみタイ』はまだ始まったばかりのサイトですが、読者の6~7割が女性層というのもあるかもしれませんね。でも、『死にたい夜にかぎって』も、意外と女性に好評だと聞いています。

爪:書いている時は、男性にしか響かないだろうなと思っていましたが、10代、20代の若い女性が結構買ってたりするみたいで。ただ、それが私生活に還元されない(多分、なかなかモテない、という意味)のが悔しい(笑)。

宮崎:爪さんの素晴らしいところは、「女性をどう見ていたか」という視点と記憶。本人を特定できる話になってしまうとまずいので、設定は多少ずらしてもらってはいます。でも、本筋みたいなものは変わっていないので、全然作り物感はないし、創作では絶対にできない。このエッセイは『死にたい夜にかぎって』と補完し合える関係性があると個人的には思っているんです。少年時代にこういう視点、審美眼、観察眼があったからこそ、アスカみたいな女の子と出会い、恋をし、そしてあの小説が生まれたというルーツ的な意味合いで。

憎めない笑顔の持ち主でもある爪さん。
憎めない笑顔の持ち主でもある爪さん。
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