よみタイ

「明けない夜はない」「止まない雨はない」のような言葉に、「壊れないビニール傘はない」が加わってもおかしくない

選んだ理由は「同じ壊れ方をしている傘がなくて面白い」から

3つ目は、単行本未収録の「ビニール傘」を挙げました。
これが落とし物かっていうと微妙ですけど。
街中に放置されているビニール傘を見るたびに、一つも同じ形をしているものがなくて、いろんな壊れ方をしているのが面白いなと思って眺めています。
そして、壊れて困った人がいるんだろうな、とか。

そんなことを考えながら、台風の次の日とか、あちこちに壊れたビニール傘が落ちているのを見るのが好きです。

私自身はほとんど傘をさしません。
出身地である北海道の田舎の方では、あんまり雨が降らなくて、降っても雪になっちゃうので、傘をさす習慣がないんですよね。よっぽどの雨のときだけ。

傘をささない方が男らしくてかっこいい感じがするし、単純にさすのが面倒臭いというのもあります。

それに、傘をさしても結局濡れちゃう。
左肩だけ濡れたり、リュックが濡れたり、どこかが必ずびしょびしょになってしまいます。
傘をさすのが下手なのかもしれません。

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新刊紹介

せきしろ

せきしろ●1970年北海道生まれ。主な著書に、映像化された『去年ルノアールで』や、映画化された『海辺の週刊大衆』、『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(共に双葉社)など。また、又吉直樹氏との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(幻冬舎)、西加奈子氏との共著『ダイオウイカは知らないでしょう』(マガジンハウス)も。
ツイッターhttps://twitter.com/sekishiro

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