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東京都知事選が10倍面白くなる! 選挙取材のプロが伝授。「選挙のほんとう」がわかる5つのポイント

小池百合子知事の任期満了に伴う東京都知事選が2020年6月18日に告示されました。
新型コロナウイルスによる社会不安や経済危機を受けて、東京のみならず、全国的に政治や選挙への関心が高まってきているといわれます。

そこで今回は「よみタイ」が誇る“楽しくてタメになる”選挙エッセイ「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」から、日本の選挙のイロハをおさらいします。
本連載の著者は長年選挙取材を重ねてきた開高健ノンフィクション賞作家の畠山理仁さん。
選挙取材のプロである畠山さんは「(都知事選を)楽しまないのは、あまりにもったいない」と語ります。その理由とは? そしてその楽しみ方とは……?

(構成・文/よみタイ編集部)

ポイントその1「選挙に行かない人は損をする」

国政選挙には、巨額の税金が投入されています。2017年10月の総選挙の予算は約600億円、2019年7月の参議院議員選挙は571億円でした。

しかし、2017年10月の衆議院議員総選挙の投票率は53.68%、2019年7月の参議院議員選挙の投票率は48.80%。つまり、多額の経費をかけているのに有権者の約半数が参加していないということがわかります。

さらに、世代別の投票率をみていくと、2017年10月の衆議院議員総選挙では、10歳代:40.49%、20歳代:33.85%、30歳代:44.75%で投票率5割を切っているのに対し、投票率が一番高い60歳代は72.04%。2019年7月の参議院議員選挙でも、10歳代:32.28%、20歳代:30.96%、30歳代:38.78%、40歳代:45.99%だったのに対し、60歳代は63.58%でした。

落選したくない政治家は、当然、票を入れるシルバー世代向けの政策を打ち出すことになります。日本の年間予算は一般会計と特別会計あわせて年間約300兆円規模。その使い道が、投票率の高い高齢者の民意に沿って決められていくわけです。

だから畠山さんは「選挙に行かない世代は損をする」と訴えます。

2016年東京都知事選取材にて、根上隆候補に畠山氏がおもちゃの拳銃を向けられたときの様子。(撮影/畠山理仁)
2016年東京都知事選取材にて、根上隆候補に畠山氏がおもちゃの拳銃を向けられたときの様子。(撮影/畠山理仁)

ポイントその2「被選挙権を行使する人は約25万人に一人」

少ないのは投票率だけではありません。選挙に出る人もごく一部です。
畠山さんによると「今の日本の政治は、まだまだ競技人口が少なすぎる」状態。

日本国籍を持ち、一定の年齢(市区町村議会議員、市区町村長、都道府県議会議員、衆議院議員は25歳以上。都道府県知事や参議院議員は30歳以上)に達すれば誰もが手に入れる「被選挙権」。

しかし、例えば2019年7月の参議院議員選挙に立候補した人はたったの370人でした。計算すると、被選挙権のある人(満30歳以上)のうち約25万人に一人しか立候補していないということになります。

候補者が出ないということは、立候補した人が投票なしでそのまま当選するケースが増えるということです。実際に、2019年4月の統一地方選挙では、全国375町村のうち93町村議会が無投票でした。

畠山さんは「日本は今、半数以上の人が選挙に行っていない。立候補する人も少ない。だから選挙に興味を持った人たちだけが、選挙の世界を自由自在に楽しむ状況が続いている」と危惧します。

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