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“作家・川村エミコ”の生みの親!? 石田衣良が読む『わたしもかわいく生まれたかったな』

次回作は『ちびエミコちゃん』⁉

――石田さんは作家として新人の作品を読む機会も多いのではないかと思います。川村さんのエッセイの「光るところ」はどこでしょうか。

まず一つは、客観視できる目。自分のつらいことも良かったことも、常に少し離れたところから見ることのできる目だよね。
二つ目は描写の鮮明さ、言葉のセンスの良さ。並外れた記憶力と、そこを細かく細かく描写していく力がある。
三つ目は、エッセイからにじみ出る人柄かな。むやみに結婚や出産を勧めてくる人への対処法を書いた回があるけれど、そういう人との距離の置き方なんかも面白い。一旦とことん同意して相手を封じ込めるっていうようなところ。そこで戦うタイプの人もいるけど、川村さんはちょっとひねりがあるじゃない。そこが面白かった。

――物事をシニカルに捉える目を持ちながらも、結婚や恋愛にかんしてのまっすぐさ、ひたむきに突き進む面もお持ちです。石田さんから見て、川村さんのそういったギャップはどう映りましたか?

川村さんは頭のいい人だと思うから、相手に自分を見透かされてるんじゃないかって思わせるようなところがあると思う。男性には警戒されるだろうね……。恋愛では苦労しそうだなあと思いました。お相手に選ぶなら、よほど自信のあるタイプの人じゃないと。
この本を読んだら、川村さんのキャラクターの素晴らしさがよくわかると思うから、この本が広く読まれるといいよね。

――今回、初めて文章を書いてみて、川村さんはこれからも書き続けていきたいと思われたそうです。今後、川村さんが何を書いていくとよいか、石田さんからのアドバイスはありますか?

川村さんは書き続けられる人だと思いますよ。
何を書くかって、あんまり難しく考える必要は全然なくて。自分のことを書くことの延長として、フィクションに取り組んでみるのもいいと思う。
僕なら、川村さん流の『ちびまる子ちゃん』を読んでみたいですね。
小学生を主人公にして、自分の幼少期の思い出なんかも盛り込みながら、特異なキャラクターを作っていけると思う。川村さんは、大人の嘘とか、取り繕ったところを見透かす目がすごく鋭い子どもだったと思うから、きっと面白いものになると思います。
今は大人向けのものと子ども向けのものという境目があまりない時代だから、そういうものが受け入れられる土壌はあるんじゃないかな。

川村エミコさんの初エッセイ『わたしもかわいく生まれたかったな』好評発売中!

集英社 定価1320円
集英社 定価1320円

エッセイの生みの親とも言える石田衣良さんから見た“作家・川村エミコ”の魅力が伝わるインタビューとなりました。
気になる男の子に「粘土」とあだ名を付けられたエピソード、従姉妹のかわいいみほちゃんとの、「ポシェットの色選び」闘争、結婚・出産を迫ってくる「どうするの?なんで?女」撃退法など、インタビューで触れられた数々の傑作エピソードが収録された『わたしもかわいく生まれたかったな』の詳細はこちら

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石田衣良

いしだ・いら/1960年、東京生まれ。
84年に成蹊大学を卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。
97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。
2003年「4TEEN フォーティーン」で直木賞を受賞。
06年「眠れぬ真珠」で島清恋愛文学賞、
13年「北斗、ある殺人者の回心」で中央公論文芸賞を受賞。
『アキハバラ@DEEP』『美丘』など著書多数。

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