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日経テレ東大学の仕掛人・高橋弘樹が語る、ひろゆきのスゴいポジショニングとは?

ひろゆきさんと竹中平蔵さんの対談本『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』が好評発売中です。
本書は、YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の番組『Re:Hack』での、二人のトークに加え、未公開の対談をテキスト化して収録したものです。

二人の対談を企画したのは、テレビ東京のプロデューサー・高橋弘樹さん。
『家、ついて行ってイイですか?』をはじめ、様々な人気番組のプロデューサーとしても知られ、企画・製作統括として立ち上げから携わった「日経テレ東大学」では、自身も出演し、YouTubeの世界でも注目を集めています。

今回はそんな高橋さんに、『Re:Hack』が生まれた経緯や、番組制作者から見た「ひろゆきさんのすごさ」「竹中さんの好感度の今後(?)」などを聞きました。

(取材・構成・撮影/よみタイ編集部)

ひろゆきのスゴいポジショニング

──ひろゆきさんと経済学者の成田悠輔さんが、毎回豪華なゲストを迎えて政治や経済等様々な問題を議論する『Re:Hack』が、公開されるごとに大きな話題となっています。高橋さんは、『Re:Hack』以前から、ひろゆきさんと一緒にお仕事をしていたんですか?

高橋 おこがましいですけど、ひろゆきさんでちょっとだけテスティング的なことをしました。

──テスティング?

高橋 テスト的なものです(笑)。いきなりレギュラーでひろゆきさんを起用するのは怖かったので、何回か単発のお仕事をお願いしたんです。最初はインタビューのみ。次に猪瀬(直樹)さんとの対談というステップを踏んで、それで大丈夫そうだなと思ったので、今の『Re:Hack』形でスタートしました。

──何か不安があったのでしょうか?

高橋 ひろゆきさんのイメージ、「本当にヤバい人」じゃないですか(笑)。正直「反社(反社会勢力)」みたいなイメージすらありました(笑)。
でも、本人とじっくり話をすると、こちらの質問にも丁寧に答えてくれて。そのとき「この人はすごい人で、かつ、ちゃんとしている」と感じて、この人とならいけるなと思ったんです。

──それでMCとして起用されたんですね。

高橋 『Re:Hack』のパイロット版の時は、ひろゆきさんが未知数だったので、完全なMCではなく、ゲスト的な立ち位置でした。でも収録をしてみて、なんだかんだ、ひろゆきさんが議論の軸を作ってくれました。僕たち制作側が聞いてほしいことを感じ取って場を回してくれるから、すごくやりやすい。何より、ひろゆきさんが取るポジションが良いと思ったんです。

──どういうポジションなんでしょう?

高橋 ひろゆきさんは徹底的にマス(大衆)のポジションに立つんです。世間ではYouTubeの人でしょうけど、その性質は本当にテレビ向きです。しかも単なるマスのポジションではなくて、20代から40代くらいのマスのポジションを取ってくれる。これはすごく貴重。通常のテレビのMCって50代以上寄りのマスを取る人が多いですから。
学者の人は学者的な興味から行くし、政治家は絶対にポジショントークから入る。失礼かもしれないけど、ひろゆきさんはあんまり自分自身へのこだわりがないからか、本当に自然とマスの位置について、視聴者の気持ちを代弁してくれる。それも素晴らしいなと思って、MCになってもらっています。

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高橋弘樹

たかはし・ひろき
1981年東京生まれ。テレビ東京制作局プロデューサー。これまでの演出・プロデューサー番組に『ジョージ・ポットマンの平成史』『吉木りさに怒られたい』『家、ついて行ってイイですか?』『逆転無罪ミステリー』など。著書に『TVディレクターの演出術』『1秒でつかむ』など。

Twitter @takahashi_ntu

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