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乳がん治療を中断して妊娠…だいたひかるさんが「100万円の使い道は完全貯金」と断言する理由

乳がん治療を中断して妊娠…だいたひかるさんが「100万円の使い道は完全貯金」と断言する理由

がんと妊娠で物欲が消えた

でも、私が死んじゃったら、ノートの山は邪魔になるだけ。タンスいっぱいの服も部屋のいたるところにある文具も、全部片付けないといけなくて、残された家族に迷惑がかかります。
がんになってそういうことも自然と考えるようになって、物を買いたいという気持ちが薄れただけでなく、持ち物を減らしたいという気持ちも出てきました。

買い物が趣味だった自分の尻拭いは自分でしなきゃいけないという思いもあって、去年の引っ越しを機に断捨離を敢行。500冊近くあったノートは捨てたり親戚の子にあげたりして、もうほとんど手元には残っていません。
処分に苦労したのは洋服です。ほとんど着ていない服を取っておいたところで着ることはないとわかっていても、ゴミ袋に入れるのは胸が痛みます。
メルカリをやろうとしたのですが、「100円値引きしてください」とか「着心地はどうですか」とか、そういうメッセージにいちいち対応するのがどうにも性に合わないので諦めました。
そんな時に偶然、古着を委託販売してくれるお店を見つけたんです。売れたら販売額の6割もらえて、一定期間おいて売れなかった服は寄付してくれるというシステムのお店で、若い頃に買った服はほとんどそこに持ち込みました。

がん治療を中断しての不妊治療を経て、現在妊娠7か月なのですが、子どもができて、ますます自分の物を買いたいという欲求がなくなってきました。自分の物を買うなら、そのぶん子どもが将来やりたいことができるように貯金しておきたいし、自分の物を部屋に置くなら、そのぶん子どもが走り回れるようにスペースを取っておきたいと思うからです。
ガンと妊娠は、本当に物欲がなくなります。

とはいえ、ベビー用品だけは別。ベビー服って大人のものより安いので「こんなにかわいいのに1000円で買えるの!?」と感動して、ついお財布の紐がゆるんでしまうこともしばしばです。特に赤ちゃんの靴下を見るとかわいくてかわいくてたまらない気持ちになります。
お金は貯めたいし、物は増やしたくないけれど、それでストレスを溜めて体調を崩してしまっては元も子もないので、たまにはベビー用品を買ってテンションを上げることも必要かなと思っています。

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新刊紹介

だいたひかる

1975年5月25日、埼玉県東松山市出身。「どーでもいーいですよー」の持ちネタで知られるピン芸人。R−1ぐらんぷり初代チャンピオンとなりブレークする。バラエティ番組等数多くのメディアで活躍。
2016年、ステージ2Bの乳ガンと診断され右乳房の全摘出手術をする。
しかし全摘した方の右胸にしこりが見つかり、2019年2月自身の公式ブログで乳ガンの再発を公表。
治療を続けていたが、妊活のため、放射線治療をストップ。2021年、不妊治療を経て、第一子の妊娠を発表した。

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