2026年は時代が変わったことを実感する一年に。

――2025年は、風の時代がいよいよ本格化するとおっしゃっていましたが、想像以上でした。

西洋占星術では、約220年続いた土の時代が終焉を迎え、2020年から風の時代が始まりました。ちなみに土の時代に、長らく価値観の根底にあり、象徴とされていたのが“形あるもの”。土地や財産、そこから生まれる所有欲、さらには権威・権力です。一方、風の時代になると、知性や信念、コミュニケーションなど、“形なきもの”が勢いを増すようになります。

土の時代で物質的な豊かさを知り、それをベースに豊かさの本質とは何かを追求し、精神的な幸せを求める風の時代へと移り変わったことになります。

2020年頃からずっと、「ここから5〜6年は、時代の大転換期。大きなカーブでは速度が落ちるように、大きな変化ほど数年単位の期間を要するもの。2025年はコーナーを曲がったところで、その先にある景色がはっきり認識できる年。政治や経済、エンタメなど、あらゆる分野で変化を感じるはず」と伝えてきました。実際に、社会でのあり方やシステム、登場人物の大きな変容に驚いた人も多いかもしれません。

――では、来たる2026年はどんな一年になるのでしょうか？

2026年は大きなコーナーを曲がり切って、エンジンを加速していく年。新しい世界とはこういうことか！と、いよいよ現実味を帯びるのではないでしょうか。ある程度の見通しもきくので、これからどういう方向に進むべきかを考える一年にもなると思います。

補足すると、新しい世界では、縦社会から横へと緩やかにつながる社会へと向かいます。競争から共生へという動きが強まるでしょうし、古いルールやシステムを改変しないと立ち行かないことが、世界各国のあらゆる分野で起こるはず。それに伴い、人々の「変わらねば」という意識改革も進むと思います。

――具体的な策を見つけていく一年になりそうですね。

西洋占星術では、幸運・拡大の星と言われる木星が位置する星座を“12年に一度の幸運期”と呼びますが、その木星が2025年6月10日〜2026年6月30日まで蟹座に滞在し、その後、獅子座に移行します。蟹座は、“自分のルーツやホーム”を象徴する星座で、2025年に世界各国が保守に振れていたのは、ある意味、星に沿った動きと言えます。まずはアイデンティティをつかみ直したり、自分にとって一番大切なものは何なのかを内省する必要があるのかもしれません。

その最たるものが“令和の米騒動”。安定した供給が当たり前と信じて疑わなかった、日本人の主食のお米でさえ、生産はもちろん、業界の構造や流通にも疑問符がつきました。システム自体が、今の時代にも、人々の気持ちにも全く合っていないことが露呈しましたよね。

そして、オリエンタル占星術では、2026年は「星宿」の年。星は、遠くで光り輝き、夢や理想の象徴でもある。古くから、夜の航海で星を目印に海路を決めていたように、2026年は目指すべきものの輪郭が見え、それぞれが何をすべきかを考えて動き出すタイミング。すぐに叶えられるものより、長期的な展望を持つことをおすすめします。

とは言っても大それたことや崇高でなくてよくて、大切なのは、あなた自身が心から好きで、楽しめるものであること。2026年6月30日から幸運と拡大の星と呼ばれる木星が獅子座に移ると話しましたが、獅子座は‟自己表現や個性、エンターテインメント”がテーマの星。みんなが楽しいことを求める時期ですので、それまでに培ったことや思想を積極的に発表・発信することが、運気アップにつながります。