2020.10.13
「なるほどですね」は敬語ではありません〜聞くたびにモヤっとする今どきビジネス言語5選
電話やリモート、もちろん対面でも耳にします、「なるほどですね」
メールとSNSの大普及で、仕事において電話を使うことは本当に少なくなったけれど、最近はリモートでの打合せも含め、電話や音声での会話というものが復活しております。
んで、今に始まったことではないのですが、ここ1〜2年でやたら耳にする頻度が増え、もはやビジネス会話における超メジャーな存在となった相槌がある。
「なるほどですね」
「なるほど!」「ん〜、なるほど」「なるほどですね〜!」
多分、懸命に丁寧に相槌をうとうとしているのだと思う。
でも「なるほど」愛用者は往々にして、ビジネス会話の相槌において本来は「はい」「ええ」であるべきところは「うん」「うんうん」だったりする。
(あたしゃ、アンタの友だちじゃないんだよ〜ん)と内心ちょっぴりゲンナリするのですが、会話も佳境に入ってくると飛び出すんです、こいつが。
「なるほど〜」
これは本人にしてみれば強い同意を、敬意をもって表明しているつもりなのでしょう。俺は(アタシは)一生懸命アンタの話を聞いてるぜ!しかもすごく納得してるんだぜ!……ってな感じに。
そしてその後、会話が進むにつれ、この「なるほど」はさまざまに変段活用を遂げていくのです。
「なるほど!」(同意強調、かつての禿同)、「なるほどなるほど」(連発使用でさらに強調)、「ん〜、なるほど!」(感極まってのなるほど)、そしてその最終形こそ、
「なるほどですね」
というわけです。相手にしてみれば懸命にこちらの話を聞いて同意と納得を表明してきて、敬語中の敬語として送り出した最終兵器。何しろ「なるほど」に「ですね」をつけたんだもん、バッチリさ!……ホントかな。

だがしかし、「なるほど」はもちろん、「なるほどですね」は、敬語でもビジネス会話でもあまり使うべき表現ではないですし、後者にいたっては日本語にすらなってませんから。
ちょっと機嫌の悪いときだと、聞いた瞬間、受話器を叩きつけたくなるから(しませんよ)。
まだまだいます、今どきビジネス会話の常連さん
基本的に私は仕事上での会話は敬語で話すことにしています。
明らかに相手が年下であろうと、どんなに長い付き合いであろうと、話すテーマが仕事のことならば敬語、もしくは丁寧語です。いわゆる「タメ口」は使いません。
これは人それぞれだけど、少なくともまだ会ったこともない人と初めて電話やzoomで話す時はそうであるべきだと思っています。なので、社内の後輩でも、初めて話すときや仕事の話をする時はメールも含めて、基本、敬語です。
でも数年前から、顔を見たこともない人が電話で数回話しただけなのに、「うんうん、そうそう」「そうなんだー」「なるほどなるほど」と相槌をうってくるのが気になり始め、後輩に聞いてみました。
「ねえ、最近こういう相槌をする人が多くて気になるのだけど……」
「ああ、私らの世代って、うん、も敬語というか、あまりそういう感覚がないとうか……(笑)。ちなみに、なるほど、は結構敬語だと思って使ってる気がしますね」
彼女自身はとてもきちんとした言葉遣いをする人で、もちろん全ての人がそういう感覚ではないのだろうけど、まあ何というか、耳にするたびにちょーっぴりモヤっとかイラッとかはするので、ここ1〜2年ですっかり常連さんになったイラモヤ・ビジネス会話をいっちょあげてみよう!